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2008.10.16

石見神楽(其の一)・木ノ口神楽社中

石見神楽(其の一)・木ノ口神楽社中

石見神楽(其の一)・木ノ口神楽社中

石見神楽(其の一)・木ノ口神楽社中

石見神楽(其の一)・木ノ口神楽社中

先日の中国地方への旅で訪れた島根県西部の石見(いわみ)地方では、『石見神楽』が、世界遺産『石見銀山』と並ぶ観光の核となっている。


その石見地方で、石見観光振興協議会が9月から11月まで「なつかしの国 石見」と題した秋期観光キャンペーンを展開していて、その特別企画として「石見の夜神楽 毎日公演」というのがある。


石見地方を訪れた観光客のために、9月15日から11月30日までの毎晩、石見地方のどこかで石見神楽を上演するという企画。


この企画以外にも、石見神楽は各地で定期公演やイベントでの公演も行われているので、石見地方を訪れた観光客は、石見神楽を観ようと思えば結構観る機会があるようだ。


石見神楽の存在は、道の駅のポスターやパンフレットで知ってはいたのだが、なかなか観る機会を持つまでには至らなかった。が、今回、前述のキャンペーンに出会ったことがきっかけで、先日の中国地方への旅では、3箇所、3団体による公演を観る機会に恵まれた。


信州にはほとんど馴染みのない石見神楽だが、自分の観た公演について紹介してみようと思う。


石見神楽の初体験は、旅の二日目、島根県津和野町の道の駅「なごみの里」での定期公演だった。


当日は地元、津和野町の“木ノ口(このくち)神楽社中”が出演し、「八幡」と「猿舞」の二つの演目が上演された。


“神楽”という名前からは、「石見神楽」も高千穂の夜神楽のような、宗教性、儀式性の強いものかなと思っていたのだが実際は違っていた。


木ノ口神楽社中による公演は、道の駅のロビーに設置された仮設ステージでの上演で、出演者達にはあまり良い条件とは言えないものの、その熱演に取り巻く観客達、その多くは普段から石見神楽を観る機会がある地元の客と思われる、の拍手喝采から観客たちが石見神楽を楽しんでいる様子が伝わってくる。


上演された演目のうち「八幡」は、硬派な感じの勧善懲悪もので約30分、「猿舞」は出てきた“猿”が客席を跳び回ったり、笑いを誘う場面が多い約40分の演目だった。


石見神楽では、最初、面を付けて舞っている舞手が、最後のほうでは面を外し舞うのだが、「八幡」の舞手が面を外すと十五、六歳と思しき紅顔の少年であった。どおりで激しい舞の間で台詞をしゃべる時も、ゼーゼー言わずにしゃべれる訳だと感心する。


石見神楽の上演する“社中”や“神楽団”といった団体のメンバーは、基本的に大人らしいが、石見神楽の継承のため、だいたいどこの団体も、小中学生がメンバーの“子供神楽”を組織いるようだ。今回の木ノ口神楽社中の公演は、大人と子供の混成チームによる公演だったようだ。


初めて観た『石見神楽』は想像していたものより、動きが激しく、ストーリーもわかりやすいもので、娯楽性の高い、誰が観ても楽しめるものだったように思う。高千穂の夜神楽が“能”のようなものだとしたら、石見神楽はさしずめ“歌舞伎”のようなものだろうか。


実際、石見神楽の成り立ちの過程で、観客を楽しませるために、“歌舞伎”の動きというか踊りが、取り入れられてきているのかもしれない。


地域のコミュニティーの伝統文化という存在を越えて、エンターテイメント、観光資産としても成り立っている『石見神楽』の素晴らしさを実感した初体験であった。

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