井の頭『純米無濾過 搾りたて生』


再来週にやる予定の日本酒を飲む会だが、テーマの一つに“お燗した日本酒の美味しさを経験する”ということを選んだ。
ただ全部燗酒にするわけにもいかないので、この時期まだまだ搾りたての新酒も味わえるし、夏向けの生酒も出始めているということで、搾りたてから生酒、熟成されたものまで、様々な日本酒のタイプを味わってみるという趣向でやることにした。
で一昨日、井田屋酒店に出向いてご主人に相談する。
まず“熟成系”で燗しても旨い酒には、神亀『純米 辛口』(神亀酒造、埼玉県蓮田市)と大七『純米 生もと ひやおろし』(大七酒造、福島県二本松市)を選ぶ。
次に“新酒・搾りたて系”だが、最近自分で飲んで印象に残っている信濃錦『無垢の酒』(宮島酒店、長野県伊那市)、加賀鳶『極寒純米 無濾過・生』(福光屋、石川県金沢市)しかないと決めていたので、一升瓶の在庫が一本しかなかった加賀鳶の取り置きをお願いする。
さて、最後の“生酒系”は、井田屋さんにも(搾りたてではない)生酒はまだあまり入荷しておらず、自分が飲んで美味しかった真澄『吟醸生酒』(宮坂醸造、長野県諏訪市)のほかに、何かおすすめはないか訪ねたところ、井の頭『純米無濾過 搾りたて生』(漆戸醸造、長野県伊那市)を紹介された。
どっちかというと、“生酒系”というよりも“新酒・搾りたて系”といったところだが、これは自分で飲んで確かめるしかないということを口実に購入。720mlで1575円。「井の頭で○○○のはこれ“だけ”です。」などというご主人のちょっと過激な発言も、購入のきっかけだったりするのだが(笑)。
で、昨日、井の頭『純米無濾過搾りたて生』を開けて飲んでみた。
搾りたて生なので当然冷やで飲む。まず一口目を口に含む。うーん、酸味が強い。搾りたて生って感じはではない。精米歩合59%ながら、信濃鶴などと違って吟醸香は全くといっていいほどしない。
酸味が強く感じたのでこってり系とかの料理に合うのかなと思いきや、相変わらず動物性脂肪の全くない夕飯を食べながら飲んでみると、さっきはあれほど感じた酸味が、ほとんど感じなくなり、さらっとした飲みやすいい味になった。こんなに印象の変わる酒も珍しいんじゃないだろうか。
搾りたて生というよりも、生酒らしい青臭さはある。食中酒としてなら、これはこれでありかなと思う。しかし、今度の飲み会で“生酒系”の酒として出すのは厳しいな。
ところで、先日はエクスキューズ付きながら、値段相応のものか疑問を呈した、香住鶴『生もと純米 木桶仕込』だが、改めて冷やで、刺身、蕎麦をつまみながら飲んだところ、酸味、苦味、僅かな甘味が渾然一体となって、まろやかで柔らかな味、心がほんわかしてくる味であった。
そしてぬる燗をつけてみると、冷やで感じた渾然一体となった味というのが、実は“旨味”をそういうふうに感じたのではないかと思った。
今回の中国地方への旅で、改めて買ってきた今年度産の『生もと純米 木桶仕込』を飲んでみないことには、自分としての評価は下せないと感じた。
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