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2008.05.10

『大いなる陰謀』

昨日、実家へ帰る途中、長野グランドシネマズで『大いなる陰謀』を観る。


シアター4(座席数152)に観客は8人。


『大いなる陰謀』、原題は『LIONS FOR LAMBS』、直訳すれば“小羊のためのライオン”とでも訳すのか。全然予備知識がなく、邦題からは何か手に汗握る陰謀劇が繰り広げられるのかと思って観に行ったら、肩すかしをくらった。


映画は異国の戦場でアメリカの若い兵士たちが命を落としていることに“無関心な国民”に問題提起をしている映画だそうだ。ただそれは、あくまでも“アメリカの若者たちが異国で命を落としている”ということに対しての無関心であって、その若者たちが向ける銃口の先にいる“異国民のおかれた状況”に対する無関心ではないようだ。


アメリカ以外の国にとっては、前線で戦う勇敢な兵士(ライオン)も、それを指揮する司令官や政治家、そして戦場で命を落とす若い兵士たちに無関心な国民たち(子羊)も“加害者”であるということには変わりはない。


“衝撃的”とパンフレットで表現されているラスト近くの戦闘シーンも、アメリカの若者が死ぬ場面であるから“衝撃的”なのであって、アルカイダの若者が死ぬ場面であれば、アメリカ国民にとって“衝撃的”なシーンにはならないだろう。


そもそもハリウッドの大手、20世紀フォックスが配給する映画だということは、この映画はアメリカの体制側には、痛くも痒くもない映画であるのは明らかだ。


『大いなる陰謀』は、ハリウッドとは一線を画すといわれているロバート・レッドフォード始め、アメリカ映画界の“良心派”の人間たちが作り上げたマスターベーション的な映画にしか思えない。


アメリカのハリウッドメジャーの制作でもなく、イギリス人が監督した、架空のブッシュ大統領暗殺事件を題材にした『大統領暗殺』という映画がある。米民主党の大統領候補を争っているヒラリー・クリントンが、映画も観ずに「卑劣で言語道断。そんな恐ろしい話で利益を得ようとしている人に、うんざりします。」とコメントせざるをえなかったこの映画のほうが、アメリカの体制側の人間が恐れる映画である。


『大いなる陰謀』はトム・クルーズやロバート・レッドフォードのファンであればともかく、そうでなければ観るまでもない映画だ。星一つ、★。

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