記憶に残る酒、『北安大國』
1本目は『刈穂』(秋田県清酒株式会社、秋田県大仙市)の“ 純米吟醸 六舟 無濾過中取り生原酒”。先週、井田屋酒店で購入。
2本目は『北安大國』(北安醸造株式会社、長野県大町市)“「横川商店限定 4号タンク」しぼりたて生原酒”。確か1月に『北安大國』の“小谷錦”を買いに大町市の横川酒店を訪れた際に購入したもの。
3本目は『夜明け前』(株式会社小野酒造店、長野県辰野町)“しずく採り 純米吟醸生一本”。先日の蔵元見学の際買ったもの。
3本のうち、『刈穂』と『夜明け前』は、原酒ながら荒々しさはなく、“淡麗辛口”とは違い、控え目で上品な香りの中にも、甘味と旨味が混ざりあった自己主張の強くないタイプで、誰が飲んでも美味しいと感じる酒だと思う。
対して『北安大國』は強烈な自己主張をしているように思える。口に含んだ時に広がる甘い香りと、とろっとした甘さが、他のどの酒とも違う、オンリーワンの日本酒と思わせる。最初の一口を口に含んだ時に、これぞ北安大國!やっぱ北安大國はこうでなきゃ、と強く思った。
表現を変えれば、その甘ったるいともいえる香りと味は、“アセチル臭”と呼ばれるものに起因するものなのかもしれない。ただ『北安大國』の場合、“臭”にはならず“香”のところで踏みとどまっているので、自分にとっては日本酒として美味しいと思わされる。
“4号タンク”に比べて、先日飲んだ今年の“小谷錦”は、なんか“淡麗辛口”っぽくて、あれは『北安大國』であって『北安大國』じゃないと思う。
しかし、日本酒も人間と同じで、誰にも好かれる“いい酒(人)”よりも、多少クセがあるほうが面白くて好きだなと思う。
自分のツボにはまった“(味覚の)記憶に残る”酒、『北安大國』はまさにそんな酒だ。ラーメンに例えれば諏訪の『ハルビンラーメン』みたいな存在だな。
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